
花京都きもの学院高槻校は、4月6日に毎年恒例の行事であるお花見へ行ってきました。
今回の行先は、京都右京区にある仁和寺と妙心寺の退蔵院。JR東海の「そうだ京都、行こう」のポスターにどちらも使用されたことのある観桜スポットです。
阪急高槻市駅から四条大宮へ。四条大宮にて京福電鉄、通称嵐電(らんでん)に乗り換えてトータル1時間弱。御室仁和寺駅の改札をくぐると坂道の先に仁和寺の仁王門が見えました。

仁和寺は真言宗御室派総本山で、仁和4年(888年)に時の宇多天皇が完成させた寺院です。寺号も年号から。
御室派の「御室」とは、息子の醍醐天皇に譲位した後、仁和寺にて出家した宇多法皇のために寺内に設けられた僧坊(住居)のことで、その後も代々皇族が門跡(住職)をしたため、「皇室の住居」を表す「御所」をつけて「御室御所」と呼ばれていたそうです。
鎌倉時代以降「御室」が仁和寺そのものを示す呼称として用いられるようになり、仁和寺一体を指す地名にもなったそうです。
また平成6年(1994年)には、古都京都の文化財としてユネスコの「世界遺産」に登録されています。
中門を越えてすぐ左側に広がる御室桜は約200本あり、江戸初期には現在の場所に植えられていたそうです。大正13年には国の名勝として指定されています。
御室桜は丈が低く、根元から枝を張るのが特徴です。遅咲きの桜としても有名で、京都市内で一番遅く満開を迎える桜ですが、この日は6分咲きとの案内でした。御室桜は満開ではなかったですが、境内では他の品種、例えば金堂前の染井吉野、鐘楼前のしだれ桜などが競って咲き誇っていました。また、ミツバツツジも桜色より赤いピンク色で満開を迎えており、春爛漫な雰囲気を味わうことができました。
余談ですが、仁和寺は寺紋が「桜に二引両」。欄間の彫刻や飾り金具、襖絵や軒瓦、お守りに至るまで桜で飾られています。御室桜が咲いていなくても桜を堪能できるスポットです。




仁和寺は広大な境内で、御殿や茶室(遼廓亭・飛濤亭)の拝観など、時間があればまだまだ滞在したい、見どころ満載の場所でした。
お昼ご飯は10分ほど歩いたところにある京料理「萬長」さんにて。つれづれ弁当を頂きました。


この日の京都は20度近くの快晴。乾いた喉を潤し、お腹を満たし、午後からは近くの妙心寺を散策しました。
臨済宗妙心寺派の大本山である妙心寺も広大な敷地です。境内は石畳で結ばれた一つの寺町を形作っており、46もの塔頭寺院が立ち並んでいました。敷地内は24時間開放され、地域住民の方々の通行路になっており、散策中も自転車で通る方をお見掛けしました。
北総門から南総門へ向かって歩きながらしだれ桜で有名な退蔵院へ。
退蔵院の本堂である方丈では、彼の有名な宮本武蔵が居して修行に励んだといわれています。本堂を拝観した後、しだれ桜のある池泉回遊式庭園「余香苑」へ。余香苑には、3本の紅枝垂桜が植えられています。
この3本の中で最も有名で見所なのが、門をくぐった先にある紅しだれ桜。余香苑が完成した昭和40年頃に植えられた、平安神宮にある紅しだれ桜の孫桜で、樹齢50年ほどだそうです。御室桜と打って変わり丈が高く、枝も細長い。幹の傍に立つと、大きい桜の日傘の中にいるような気分でした。



退蔵院の後に法堂の雲龍図を拝観しに向かいましたが、時間が合わず断念しました。是非また訪れたい場所となりました。
参加者の皆様お疲れさまでした。